2007年12月27日掲載
第10回 FTTH型CATVの開発 後編
■その後
今回のFTTH型CATVは"試験サービス"という条件付で認可が得られましたが、その後これが原型になり、通信事業者の提供する設備をCATV事業者も利用できることが法律で定められ、平成14年1月から「電気通信役務利用放送法」として施行されました。現在10社以上のCATV事業者がここに述べた形態を利用して事業を行っています。
タウンテレビ横浜は開局後順調に加入者を増やし安定した業績を上げられるようになり利益も確保できるようになりました。2000年に入り都市型CATVは合併などにより規模の拡大を図るケースが増えタウンテレビ横浜もその後下記のような変遷を遂げ、結局JCNグループに入りました。
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図4:タウンテレビ横浜の変遷 |
光は技術が進歩し導入も楽になり敷設の総延長は飛躍的に伸びています。しかし加入者系をみるとネットサーフィンならメタルのADSLで充分というユーザも多く、光加入は伸び悩んでいます。最近NTTは2010年光加入目標を3,000万から2,000万に下げましたがその現れでしょう。
光のメリットを生かすにはやはり映像のような大容量/高速のアプリケーションが必要です。しかし「ネットでTVを見る」も普通の画質のストリーミングビデオであれば数Mbpsで事足りてしまいます。私は光の能力を生かしきるだけのアプリケーションが未だ現れていないのではないかと考えています。マルチメディアと言われて久しいです。ざっと30年弱が経ていますが、従来の慣わしを置き直している部分が多いように思っています。もっと斬新なものがあるような気がします。では何かと言われても直ぐにこれだと言えないのも残念です。
直感ですが、"その人その人の人間性に触れるようなコミュニケーション"があるような気がします。何はともあれ是非斬新なアプリケーションが開発されることを望んでいます。
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(コラム記事/ (株)アイ・ビー・イー 坂井 裕)

