2007年11月8日掲載
第8回 世界最小TV電話の開発 後編
TV電話は準備が整い、いよいよ製品化プロセスに入ることになりました。おかげさまでプロセスは順調に進み、半年後第1号の製品が出来上がりました。国際標準に準拠し、画像コーデックを内蔵した卓上オールインワンタイプのテレビ電話で、商品名は"HV-100"となりました。
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写真:卓上オールインワンタイプのテレビ電話"HV-100" |
HV-100の特長は
1. 世界最小の卓上オールインワンタイプのテレビ電話:専用LSIの開発や回路の小型化により画像コーデック、マルチメディア通信・電話制御部をA4サイズ1ボードで実現し、全てを一体化した。
2. 書画伝送機能:カメラ部分を可動式にすることにより簡単な文書を伝送可能にした。
3. マンマシン性の向上:アイコンなどを使った操作ガイダンス、P in Pにより自分のカメラの映像をモニター可能、カメラやディスプレイの位置調節が容易。
4. 撮像の環境対応:高感度カメラ、自動アイリス、自動ホワイトバランスなんどにより低照度でも良好な映像を撮影可能。
5. AV端子入力:AV端子があり外部カメラや大型ディスプレイなどの接続が可能。
テレビ電話"HV-100"の性能諸元
項目 | 内容 | |
主要機能 | (1)テレビ電話基本機能(音声、カラー映像) (2)書画カメラ(静止画) (3)付加機能(名刺、P in P/ミラーなど) (4)AV端子利用可能 |
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コ|デック画像 | 映像入出力信号 | NTSCコンポジット信号 |
符号化方式 | 動き補償、DCT:CCITT H.261準拠 |
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画像サイズ(ドット) | FCIF:352(H)× 288(V) QCIF:176(H)× 144(V) 日立モード:352(H)× 240(V) |
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符号化速度 | 64〜128 Kビット/s | |
伝送フレーム数 | FCIF:最大10フレーム/s QCIF:最大15フレーム/s 日立モード:最大15フレーム/s |
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網制御電話 | 回線インタフェース | ISDN(2B+D) S/T点インタフェース |
音声・画像通信制御 | CCITT:H.320、H.242、H.230、H.221準拠 | |
音声符号化 | CCITT G.711準拠、日立モード: ADPCM 32Kビット/s |
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電話機能 | ハンズフリー、リダイアル、短縮ダイアル他 | |
ディスプレイ | バックライト付5インチカラーTFT LCD | |
カメラ | 1/2インチCCD(自動アイリス、ホワイトバランス他) | |
容積・質量 | 約7L、約5kg |
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(コラム記事/ (株)アイ・ビー・イー 坂井 裕)

