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VIDEO-ITを取り巻く市場と技術

2007年9月12日掲載

第9回 IBC 2007現地レポート

 

■その1

 会場RAIの右ウィング
写真4:会場RAIの右ウィング。


■各社ブースレポート


・ブース番号:7.748 MOG Solutions
URL:http://www.mog-solutions.com/

ポルトガルのMXF関連ソフトウェアメーカー。ポルトガルのR&D研究機関 INESC PortoにてITと放送に関する技術研究をしていたエンジニア達が、MXFのアプリケーションを開発するために2000年(MXF規格の定まる4年前)に起こした会社。MXF規格策定機関であるSMPTEで策定グループの議長を務めるスタッフも擁する、まぎれもなく業界のMXFにおけるリーダー的存在です。

MOG Solutionsのブース

写真5:多くの人でにぎわうMOG Solutionsのブース。あまりの大盛況ぶりに昼食の時間がすっかり遅くなってしまったとか。

今回はToboggan Media Transfer、Toboggan Media Converter(開発中)、Toboggan Scene Change Detection(開発中)の3つの新製品が登場。

Toboggan Media Transferは、MXFファイルをAvidサーバに転送するソフトウェアアプリケーション。自動監視フォルダにMXFファイルを入れるだけで転送されます。サポートするファイルは以下の7種類。

・XDCAM SD (IMX, DVCAM)
・XDCAM HD (MPEG-2 long GOP)
・XDCAM Proxy (MPEG-4, XDCAM external drive (PDW-U1)
・P2 DVCPRO 25/50
・P2 DVCPRO HD
・Ikegami IMX/DVCAM
・Infinity DV/MPEG-2.

Toboggan MediaTransferの画面
写真6:Toboggan MediaTransferの画面


Toboggan Media Converterは、MXFファイルを非MXFファイルに変換してくれるアプリケーション。自動監視フォルダにMXFファイルを入れるだけで変換されます。MXFファイルからは以下のファイルへ変換が可能です。
・AVI
・DV
・MPEG
・Windows Media Video

Toboggan Scene Change Detectionは、シーンの切り替わりを検知し、サムネイルを作成する製品。シーン検出結果は、MXFのDMS-1準拠のメタデータとしてXMLファイルで出力されます。このメタデータをMXFファイルに埋め込むことで、シーン検出結果をMXFファイル内に格納し、他システムで運用することが可能。

MOG-Solutionsの国内販売代理店を勤める弊社も、会期中日本のお客様へ向けて毎日1時間の日本語説明会を開きました。

・ブース番号:8.154 Stradis
URL:http://www.stradis.com/

米国のMPEG-2デコーダーボードメーカー。1997年より業務用のデコーダボードを開発・販売してきた。Stradis社製MPEG-2デコーダボードは世界40カ国以上での販売実績があります。

ブースの客入りは初日にしては比較的順調な模様。社長が新製品と今後の展望について熱く語ってくれました。

今回の見どころはデコーダ商品ラインナップに追加された新製品HDM500e。4:2:0、80MbpsまでのMPEG-2 (HD)をデコードし、高品位ビデオ信号として出力てれきるPCIカードです。Stradis APIを使用して、オンエア自動装置、広告、番組やニュースの配信システムを構築できます。

新製品HDM500e
写真7:新製品 HDM500e

主なスペックは以下の通りです。
・SDI、コンポーネント出力。12のエンベディットオーディオチャンネル。
・RS-422制御、LTC出力、ゲンロック入力、ビデオ調整、PCIインターフェース
・CEマーク取得(EUの商品販売基準)、RoHS準拠(EUの電子・電気機器における使用制限基準)。

Toboggan MediaTransferの画面
写真8:Stradisのスタッフと。
右から、業務担当のNacht氏、社長のSirkis氏、エンジニアのLovejoy氏、弊社CTO竹松。

スタッフの方より日本のお客様へメッセージをいただきました。
「これですべてのボードのRoHS対応が完了、安心してお使いいただけるようになりました。
Stradis製品は、おかげさまで日本でも多くのお客様にご利用いただき、私たちは自社の製品を誇りに思うと同時に大変光栄に思っております。日本のお客様は厳しい要件を伝えて頂ける方が多く、ご要望にお答えする形でStradis製品の品質を向上させてまいりました。今後とも、何とぞStradis製品をよろしくお願いいたします。」

・ブース番号:IP331 TVBLOB Srl
URL:http://www.tvblob.com/

TVBLOB Srlはイタリアの双方向ビデオコミュニケーションツールのミドルウェアメーカーで- It's a new way to communicate...thru your TV! - がテーゼとなっています。

多くの人でにぎわうブースはIPTVゾーンと呼ばれるエリアに位置し、みな関心が高い様子でした。

今回の見どころはやはりTVBLOB Boxと呼ばれるコンシューマ向け製品を使った双方向ビデオコミュニケーションなどのデモンストレーション。IPTV、テレビ会議、ビデオコミュミティ形成、個人放送局、などを実現できる機能をもったソフトウェアプラットフォームで、そのプラットフォーム上で各社独自のサービスを構築できる設計されていました。視聴端末は主にSTBで、お客様の要件次第でモバイル端末などにも移植できるようです。

TVBLOB
写真9:TVBLOB社CTOのパンクラツィオ・アウテリ氏(左)とセールス&マーケティング部長のリサ・モリス氏(右)。 残念ながら社長は撮影時に不在でした。

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IBCパーティの様子
写真10:IBCパーティの様子

 

その2へつづく

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(コラム記事/ (株)アイ・ビー・イー 先端システム研究所)

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