2007年12月20日掲載
第19回 RTP/RTCP概要
■RTP/RTCPでの伝送品質計測手法について
前述の通り、RTP/RTCPではリアルタイム性が求められるアプリケーションで使用出来るように設計されたプロトコルとなるが、ネットワークでデータを送受信する際には、多くのネットワーク伝送機材を経由する関係でどうしても伝送遅延が発生してしまう。また、ネットワーク経路によっては、パケットが失われる(パケット欠落)が発生してしまう。送信、受信双方は、これらの伝送遅延時間やパケット欠落の発生を検知する必要がある為、RTP/RTCPではこれらの伝送品質情報を格納出来るプロトコルとなっている。
パケット欠落については、RTCPの「Receiver Report」パケット内にパケット欠落情報が格納されているので受信状況をモニタリングするアプリケーションはパケット欠落の状況を知る事が出来る。
伝送遅延時間の計測については、RTCPの「Sender Report」「Receiver Report」パケット内に埋め込まれた時刻から算出が可能となる。「Sender Report」「Receiver Report」パケットにより伝送遅延時間を計算するフローを下図に示す。
RTCPでの伝送遅延時間は「遅延A」と「遅延B」の合計を指す。
Sender Reportパケット送出時刻「Ts」は、Sender Reportパケット内の「NTP時刻」に埋め込み送出され、受信側は、『Sender Reportパケット送出時刻「Ts」』をReceiver Reportパケットの「LSR」に、『Sender Reportパケットを受信し、Receiver Reportパケットを送出するまでにかかった時間』を「DLSR」に格納し返送する。Receiver Reportパケットを受信した送信側は、『Receiver Reportパケットを受信した時刻「Te」』から「LSR」「DLSR」を引き伝送遅延時間を計測する。
つまり、伝送遅延時間は「Te - DLSR - LSR」により計算が可能となる。
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(コラム記事/ (株)アイ・ビー・イー 開発部)

